HMBとは? 特徴と効果について
2020/07/20
筋トレ効果が上がると有名なHMB。
効果があるって注目されている半面、「HMBは効果なし」「HMBに副作用」なんてワードも飛び交ってます。
はて? そもそもHMBってなんじゃい? ってよくわかんないまま使っている人も多いと思いんじゃないでしょうか。
海外ではかなり前からHMBが販売されていて、ボディビルダーやフィジーク選手に注目されていましたが、日本では2010年に解禁され、正式に販売ができるようになった、比較的新しいサプリです。
そのせいか、説明しているサイトなどでもちょっと専門的だったり、ある程度知っていることを前提にしたりしているので、まずは基本的なことから、初心者でも出来る限りわかりやすく解説したいと思います。
HMBとは?
HMBは「β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸」と言われる物質です。
平たく言うと、必須アミノ酸のロイシンが人の体の中で分解されたときにできる代謝物質の一つです。
もともと人の体の中で生成されるものだし、常に体内に存在している物質ですが、必須アミノ酸なので、ロイシン自体を摂取しないと作られないものでもあります。
1996年にアイオワ州立大学のスティーブン博士によってHMBの効能が発見され、それから筋肉増強効果や筋肉減少抑制効果について研究がされるようになったサプリメントになります。
HMBだけでは筋肉はつかない
さて、いろいろHMBについて変なセールストークが多いので、かなり誤解してる人も多いみたいですね。「筋肉の万能薬」「怪しいサプリ」と思い込んでいる人も多いみたいなので、誤解を解いておきたいと思います。
まず、「プロテインでは筋肉がつかなかったのにHMBを飲んだら筋肉がついた!!」なんて賞賛する記事のおかげで、HMBだけで筋肉がつくと思い込んでしまう人がいるみたいですが、ありえませんてwww。
プロテインに含まれている20種類のアミノ酸を拒否する体なのに、単一アミノ酸だけ吸収するなんて、人類じゃないですwww。常識的に考えれば、筋肉組織、血管、神経系統など、単一のアミノ酸のロイシンだけで出来てるはずがありません。複合的要素がかなり多い組織なので、プロテインとの併用でなければ効果がないと思った方がいいですよ。
プロテイン20杯分の効果! っていうのにも疑問です。
HMBを1g体内でつくりだすために、ロイシンが20g必要ということからこのセールストークが出てきたんだと思いますが、他の成分を全無視した言葉なので、まったくナンセンスです。こんなことやってるから「怪しい」って言われちゃうんですよね。売り方が完全に間違ってますwww。体内生成だけでまかなうにはちょっと難しい量なので、サプリとして摂取した方が効率がいいってことが言いたいんだと思います。
「HMBを飲むだけで筋肉がつく!」っていう、ただ寝てても筋肉がつくようなのも誤解を生んでます。
新しいサプリなので誤解されやすいのかもしれませんが、人類は筋肉を使わなければ、決して筋肉が太くなったり付いたりはしません。筋トレや正しいトレーニングがなけりゃダメです。確かにHMBは筋肉の合成を促進させる効果がありますが、運動あっての効果ですので、だらだらしてても筋肉はつきませんてwww。
あくまで強力な補助サプリというのを勘違いしないようにしましょう。
最後に、かなり誤解されている部分ですが、製品として販売されているHMBは大きく2種類に分けられます。
- HMBを主成分とした配合型サプリ
- HMBだけが主体となっている純粋型サプリ
複合型サプリは、HMB以外にもクレアチンやBCAA、グルタミンなどが配合されていて、色々筋肉に良いもの全部入りって感じでスターターキットのようなもの。よく通販系で販売されているタイプがこれですね。
プロテインを摂取していて、他にサプリはビタミン剤だけって人にはうってつけ。複合的な筋トレサプリになってるのでお勧めです。
純粋型サプリは純粋なHMBだけのサプリになります。パウダー、カプセル、タブレットなど様々な形やたまにクレアチンが配合されていることもありますが、基本的には純度と値段で勝負といったところです。
すでにプロテインのほか、いくつかのお気に入りの自分に合ったサプリを使っていて、自分でカスタマイズして使う人にとっては、いろいろ入ってないこっちの方が使いやすくていいと思います。
コスパもかかわってきますので、タイプ別に自分の使いやすい方を選んだ方がいいですよ。
必須アミノ酸とは何?
基本情報で分からない人のためにアミノ酸についての解説もしておきます。
人の体は主だった20種類のアミノ酸で出来ています。
ほとんどのアミノ酸は食事からや体内で自家合成できるアミノ酸なのですが、体内で合成できない、食事でとる事でしか補給できないアミノ酸もあります。この体内で合成できるものを非必須アミノ酸、食事から摂取しないといけないものを必須アミノ酸といいます。
これらのアミノ酸をバランスよく摂取できるのがアミノ酸スコア100のプロテインってわけです。
必須アミノ酸は詳しく言えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、リシン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン、メチオニン、フェニルアラニンの9種類。
今回HMBでかかわっているのはその中でも筋肉維持に必要なロイシンになります。
ロイシン
筋肉のタンパク質合成を促進したり、タンパク質の分解を抑制する、いわば筋肉を維持管理する役割の成分で、筋肉代謝のほか、インスリン分泌を促し、たんぱく質の合成促進を行っています。一日の必要量が最も多いアミノ酸ですが、通常のたんぱく質摂取で大抵あまり不足することがないアミノ酸だったりもします。そのおかげで、1日0.2g~0.4gのHMBが体内で合成されています。
HMBの効果
さて、HMBは筋肉増強効果や筋肉減少抑制効果について研究されていますが、実際HMBを飲むとどんな効果があるのか具体的に見ていきます。
具体的には次の3つ。
- 筋肉の合成促進効果
- 筋肉の分解抑制効果
- 筋肉細胞を保護して筋鞘安定化する効果
具体的にHMBが何に作用しているかと言えば、運動による筋繊維の損傷と修復、筋肥大になります。つまり、運動をしないと効果云々の話にもならないので、まずここを勘違いしないでください。寝ててもHMBを飲んでれば筋肉がつくというのはまったくのウソですからねwww。
とはいえ、ムキムキ効果があるってことは分かりますよねwww。
ロイシンは基本的に筋肉量のコントロールという側面があるのですが、結構その辺はしっかり機能している感じですかね。実証実験で確認されているものをピックアップしました。
筋肉の合成促進効果
HMBの効能を発見したスティーブン博士によって検証された効果です。
男性を群に分け、それぞれHMBを毎日0g、1.5g、3.0g摂取してもらい、3週間筋トレをしてもらった結果を平均化。すると、筋力が摂取量に準じて向上していることが分かりました。
3g摂取群では、伸び率が2倍、筋体重の伸び率は3倍という驚異的な伸び率を出しています。
これはmTOR経路の働きによるもので、HMBはmTOR経路の働きを活発にすることが分かったんですよね。
筋トレマニアとしては、なかなか見逃せないポイントだったりします。
筋肉の分解抑制効果
これはスティーブン博士が所属しているアイオワ州立大学での実験で検証されています。
20kmの長距離ランナーにHMBを3g摂取させたところ、未摂取の選手との筋繊維の損傷具合に差ができました。
人によっては2倍近い差が出るという結果です。これは運動による筋繊維の保護と分解抑制があるということの証明になりました。
具体的には、筋肉をはじめとするタンパク質を分解する「ユビキチン・プロテアソーム経路」のはたらきをHMBが抑制しているためです。
ちょっと難しい回路の話が出てきましたが、筋肉の合成促進効果と分解抑制効果、この二つの効果があるとどうなるかというと、運動中、筋肉内では筋肉の分解と合成が同時に行われ、激しいトレーニングでは分解されます。つまり、HMBを摂取していればいつもより激しい高負荷のトレーニングをおこなっても筋損傷が軽減され、回復も早くなる、さらに筋肉の合成効果も高くなるので効果的に筋力アップが期待できるってわけです。
トレーニングをしている人にとってはなかなか魅力的でしょ♪
筋肉細胞を保護して筋鞘安定化する効果
上の分解抑制効果にもかかわってきますが、この分解抑制効果については厚生労働省も認めており、HMBがサルコペニア(筋肉減少症)に効果的であるという見解を示しています。
サルコペニアとは、加齢により筋肉量が減少し、筋力が低下した状態のことで、中年以降年間1%前後筋肉が減っていくといわれてます。
また、がんや糖尿病の体重減少に改善効果があるのではという研究もされています。
実際70代の老人もHMB摂取による筋量の増加効果が確認されているそうですよ。すごいっすね!
HMBの摂取量、多すぎても逆効果
HMBの摂取量は、1日3gというのがベストなようです。
実際には体重1kgに対して38mgというのが妥当なようなので、成人男性で体重75kg~80kgぐらいの体格であれば3gでいいと思います。
多少誤差があっても問題ないのですが、たくさん取った方が絶対いい! と2倍近く摂取したり、今日はトレーニングを軽く済ませたから半分とか、結構やりがちです。でも、HMBの場合、摂取量が多すぎても少なすぎても効果が半減ということも報告されてます。
HMBを摂取してても効果が出ない! って思ってる人、意外とこんな変則的な摂取方法をしてません?
きちんと摂取量を守って試してみてください。
HMBの摂取タイミング・ポイント
意外と重要な摂取タイミングです。
実際これは私の経験値でもありますが、かなり違いが出るので参考までに。
プロテインと同じくトレーニング後に飲んでしまいがちですが、飲むタイミングはBCAAやクレアチンのタイミングに合わせた方がいいです。できれば一日3回に分けた方がいいですね。できなければトレーニング30分前にしましょう。休息日は夕食後、または昼食後の方がいいです。
トレーニング前30分はBCAAのタイミングと同じ、食後はクレアチンのタイミングと同じです。
一日3回に分ける場合は、朝起床後・トレーニング30分前・夜就寝前の3回に、1gずつというのが理想です。
トレーニング30分前というのが、私の経験でも一番重要ですよ。
早い話、血中HMB値が一番高い状態でトレーニングをするのが最も効果的です。この状態であれば、筋肉の分解が最小限に抑えられるって理屈です。実際体感するとかなり無理が効く感じを実感できると思いますし、その後の筋肉痛も少なくて済むのも分かると思います。
あと素朴な疑問で、トレーニングをしない休息日も飲む必要があるのかどうかですが、理論的にはプロテインと同じと考えれば休息日こそ必要なものと考えた方がいいと思います。毎日欠かさずというのがベストでしょうね。
クレアチンとの相性がすごくいい!!
実はBCAAとの相性というか相乗効果も結構あるんじゃないかと実感はしているのですが、それよりもクレアチンとの相性がものすごくよく、相乗効果がかなりあるという実験結果も出ています。
どうせ飲むんだったら、ぜひクレアチンも、もったいないので一緒に飲んでくださいwww。
そういう意味ではワンパックになっている配合型のHMBは大抵クレアチンも配合されているので一度に摂取できて便利かもしれないですね。
HMBの副作用はないの?
今のところHMBの副作用というのはないと言われています。
断言している人もいるようですが、本当に副作用がないのか? と言われると、突き詰めると分からないというのが本当のところだと思います。
今のところ副作用の報告や症例は入ってきてませんが、比較的新しいサプリメントのため、長期服用のデータがまだそれほど揃っていないというのが現状です。安全性が高い部類のサプリとはいえ、単一アミノ酸の過剰摂取による障害事例というものもあるので、まだ何とも言えないんでしょうね。
アメリカ食品医薬品局の安全成分一覧にもまだ入ってないので、完全に断言できるのは、この一覧に入ったときと思った方がいいと思います。
HMBまとめ
HMBは筋肉の魔法のサプリのように思われているところがありますが、体内生成が少量なので生成できる量を摂取するよりサプリで摂取した方が効率がいいサプリの一つです。
確かに筋肉の合成促進、分解抑制効果があり、実績もありますが、決して魔法のようなサプリじゃないですよwww。筋肉がムキムキ付くサプリというよりプロテインの強力な補強サプリといったところでしょうか。
個人的には停滞期や40代以降の筋肉肥大には効果が高いような気がします。
ただクレアチンとの相乗効果も高いので、パンプアップを求めている人には一度ぜひ使ってもらいたいサプリの一つですね。ビルダーやフィジークを目指している人に注目されていることや、実際使用している人も多いので、ぜひ試してみて、そのムキムキ感を実感してみてはいかがでしょうか?
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