たんぱく質とアミノ酸。そもそもアミノ酸って何?
2020/04/02
プロテインでのたんぱく質を取るとき、アミノ酸という言葉をよく耳にします。
皮膚や髪や血管、筋肉、体のほとんどのものがたんぱく質でできているのはよく知ってますが、やたらと良く聞くアミノ酸って、はて? なんだろう??
プロテインとアミノ酸飲料や錠剤とは何が違うのか、素朴な疑問が湧いてきます。
難しい科学的な話は抜きにして、なるべくわかりやすく簡単に解説です。
体内で分解されるたんぱく質
肉や魚、プロテインを摂取すると、胃や腸で消化されます。
たんぱく質はここで分解され、体内に吸収されます。
この段階で分解されたものをアミノ酸と言います。
アミノ酸とは、簡単に言うとたんぱく質を作っている最小単位の成分になります。
天然アミノ酸は、現在約500種類ありますが、その中で私達の体を形作っているアミノ酸は約20種類。そのうち体内で合成できるものが10種類で非必須アミノ酸。体内で合成できず、食事などから摂取しなければならないアミノ酸が10種類で必須アミノ酸と呼ばれています。
これが、たんぱく質とアミノ酸の違いで、一般的に体に必要とされているアミノ酸になります。
アミノ酸が集まってたんぱく質を作っている
分解され吸収されたアミノ酸は、体内で大量につながって新しいたんぱく質を作りだします。どういうアミノ酸がどういう順番でどうつながるかによって、筋肉になったり皮膚になったり血管になったりします。そのアミノ酸の順番が書かれているのがDNA。各個人のDNAに従って、アミノ酸が連結し、たんぱく質が作られ、体のあちこちのパーツが作られる仕組みになってます。
また、アミノ酸は筋肉や肝臓などの組織内にとどまっているだけではなく、血液中にも多く存在していて体内を循環しています。体内のどこかでアミノ酸が足りなくなると、そのアミノ酸が使われ、たんぱく質の材料になります。逆に組織内に多くなれば血液中に放出します。要するに常に新しい組織を作るための在庫が用意されていて、体内を循環している状態を維持しています。
体に必要な20種類のアミノ酸
私達の体を作っているアミノ酸は20種類。
体内で生成できないものを必須アミノ酸。
体内で生成できるものを非必須アミノ酸と呼びます。
アミノ酸が不足すると体のあちこちにトラブルが起こります。非必須アミノ酸はともかく、必須アミノ酸は体内で生成できないので、意識して摂取する必要があります。
もちろんバランスの良い食生活を送っていれば問題ないのですが、偏りや食事制限をしている人は要注意です。
必須アミノ酸
バリン | たんぱく質を作る能力、筋肉の強化、肝機能をアップ、美肌効果 |
ロイシン | たんぱく質を作る能力、筋肉の強化、肝機能をアップ、美肌効果 |
イソロイシン | たんぱく質を作る能力、筋肉の強化、肝機能をアップ、美肌効果 |
メチオニン | 肝機能をアップ、アレルギーを抑える |
フェニルアラニン | 精神を落ち着かせる、記憶力を高める効果 |
トリプトファン | 不眠を解消、アンチエイジング効果 |
ヒスチジン | 成長を促進、副交感神経を鎮静、脳神経を保護する効果 |
スレオニン | 肝機能の強化、美肌効果 |
リジン | カルシウムの吸収促進、肝機能の強化 |
非必須アミノ酸
アラニン | 肝機能の強化、アルコール分解を促進、グルコースを生成 |
グルタミン | 筋肉の強化や筋肉疲労の回復効果、胃腸の働きを助ける |
グルタミン酸 | 速効性のあるエネルギー源、アンモニアの解毒作用・利尿効果 |
アルギニン | 疲労回復効果、血流促進、免疫力アップ |
アスパラギン酸 | 疲労回復、体調を整える効果 |
アスパラギン | 速効性のあるエネルギー源、エネルギー代謝を促進 |
システイン | 皮膚のメラニン色素の生産を抑える、コラーゲン生成を助ける |
プロリン | コラーゲンの主要な構成成分、関節痛改善、美肌効果、脂肪燃焼効果 |
グリシン | 血色素成分の生産を促進、睡眠改善、抗うつ効果 |
セリン | 脳神経細胞の材料、美肌・美白効果、睡眠改善 |
チロシン | 抗ストレス作用、脳機能を活性化 |
アミノ酸を個別で摂取する理由
たんぱく質を摂取すれば分解され必要なアミノ酸を摂取できるのに、なぜ、世の中には個別でアミノ酸飲料やサプリメントがあるのでしょう?
素朴に疑問に思いません?
1つは、吸収の遅さです。
肉や魚を体内で消化吸収するのに、通常で5~6時間。長い場合だと20時間以上かかる場合もあります。また100%すべて吸収されるわけでもなく、吸収されずに体外に排出されてしまう場合もあります。
しかしすでにアミノ酸に分解されていれば、30分~1時間程度ですぐに吸収されてしまいます。胃腸などの消化器官に負担をかけることもないので、運動中の素早い補給も可能になります。
もう1つは、目的に合わせた効果が期待できる点です。
素早く補給、吸収ができるので、エネルギーの枯渇やたんぱく質の補給、疲労回復、各神経系への伝達物質の補給なども行えるようになります。
必須アミノ酸はともかく、非必須アミノ酸も外部からの摂取で補うことができます。
個別に自分で調べて選ぶより、各種アミノ酸の効果や機能別に、スポーツメーカーやサプリメーカーがブレンドした機能性アミノ酸を提供してくれています。
ぜひこれらをうまく利用してみてください。
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